ものわすれブログ

ボクのこだわり、ふたたび(1)入所と別れ

06/24/2019

 患者さんとの別れにはいろいろな形があります。もっとも多いのは長年にわたって「かかりつけ医」の先生とボクが連携して当事者を見送る場合です。悲しい別れであっても、同時に「十分にやりきった」感が家族にもボクにもあります。

 

 でも、そうはいかない場合があります。その典型例が「入所」です。介護保険の施行前には(もう20年も前の昔話ですが)うちの診療所に来ていた人が施設に入所した場合、もし、その人や家族の希望があれば、見送るまでそこに往診していました。介護保険の下でもその流れは数年前まで続き、今でも50人ほどの人が往診の対象になっています。

 

 しかしここ3年ほどで状況は大きく変わりました。うちの診療所は周辺部とは言いながらも大阪市の端っこにあり、(都会だけなのかもしれませんが)施設に(医院や会社が)営業をかけて精神科医が2週間に一度、訪問診療をすることが増えてきました。これまでには考えられないようなことが現実に起きて、入居者や施設にとって便利になってきた半面、診療所に通ってくれた人が入居を境にしてボクとの関係は終わることになります。

 1年や2年ではなく20年近くのお付き合いがある人の入居とともに縁が切れるのは寂しいとも思いますが、これも時代の流れです。先日もボクとの縁を大切に考えてくれた家族の要望があったのですが、遠くて行けないところへの入居されたため、その施設を担当してくれる先生に情報提供書を送り、バトンタッチしました。

 

 そこで出てきた課題が一つあります。ごく少数なのですが、会社から派遣されてその施設を担当することになった先生が長続きせず、頻繁に変わるために「きずなを託す」とはいかないケースが出てきました。

 医師一人が全部を背負込むと負担が多くなり、(ボクのような古いタイプの医者がやっているような形式では)ボクがぶっ倒れると患者さんや家族、施設に多大な迷惑をかけてしまいます。かといって半年ごとに担当医が変わってしまうような体制でも、認知症の当事者を託すには不安が残ってしまいます。

 

 その中間をとって、「一人で抱えず、かといって頻繁に担当医が変わることなく、安定した医療の供給ができること」ってのがとても大切なのだと思います。入居=別れではない道を模索してみたいのですが、もう時代が変わってしまったのかな。いえいえ、血の通った連携体制ができればそれは夢ではなく実現できますよね。

 

 

 

 

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