2017年4月から朝日新聞デジタル版・アピタルで

「認知症と生きるには」というコラムを執筆中です。

http://www.asahi.com/apital/column/ninchisyou/

​朝日新聞(デジタル版)お知らせ

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新しい試み(4)長い休みは不安ですね

いよいよ新しい元号に変わるこの長い連休、不安になる人がたくさんいて診療所はバタバタしています。急に眠れなくなった人、気温の変化の影響を受けた人、新しい微小脳梗塞が増えて入院になってしまった人、年末年始とお盆休みに加えて、今年の10連休は不安になる人が少しでも減るように、午前中だけ診療したりして調整しています。でも、薬局がやっていなかったり、家族がこぞって旅行に行かれたり、それぞれ人によって不安の背景は異なります。 ボクはここ数年、書いているように半ばヤケクソです。介護家族の皆さんには叱られるかもしれませんが、妻の夕食時には自宅にいなければ(妻の不安が強くなる)いけないという、甚だ横から見れば夫婦の絆が強い介護に見える状態(実際は全くと異なりますが)が5年間続き、5年間で東京の朝のテレビ番組に出していただいた時の一泊だけしか、自宅を開けたことがありません。 それを逆手にとって大型連休はできるだけ、短時間ですが診療もして、その後、娘がほとんど買い出しをしてくれる夕食の総菜を少し買い足して自宅に戻っています。過日、「連休も短時間診察あり」との院内表示を見た介護家族(息子さんが)、この事情を知らずに感激して泣いてくれました。す、すみません。そんなヒューマニズムからではなく、買い出しが楽なだけです。本当に誤解させてしまってすみません。 いつの日か、日々の診察や執筆を離れて何日かリゾート地に赴き、ゆっくりとしたいな~と、先日、つい本音が出たら妻が「私を見送ってからにしてや」との一言。「こんなひ弱なボクが妻を見送るまで元気でいられるわけないじゃないか」と思いつつ、平成(ボクの子育て、妻の母の

新しい試み(3)自らの意志を全うした人に

今回で100回目のブログです。それなのにまた悲しいニュース。スリランカで320人も亡くなる自爆テロがありました。もう、悲しむのに疲れてしまいました。宗教の違いや意見の相違など、多様性を認められない人類っていったい何なのでしょう。宗教対立など考えられなかった穏やかなイスラムの人と仏教の国が教会を爆破、国際テロとつながっているなどと…。 平成20年過ぎたころだったでしょうか、ある患者さんにかかわらせていただくことになりました。病名はある種の認知症です。その人はこれまでずっと一人暮らし、結婚する機会がなく多くの資産もお持ちで、都心のマンションで一人暮らししていました。一人暮らしができるというと「軽度認知障がい」のレベルだと思われるかもしれませんが、とんでもありません。立派な認知症中等度から重度に近くなっている人でした。でも、ご本人の自尊感情や自負心は大したもので「私、なんでもできます」とのこと。きょうだい思いの家族のかかわりもやんわりと拒否して、ひとりでマンション暮らしを続け、10年が過ぎました。 彼女が何年もの間、自分の意思で生活できたのは介護職のみなさん、ケアマネジャー、在宅訪問診療を引き受けてくれた内科の先生、そして大阪司法書士会の司法書士の先生(後見人)のおかげです。司法書士の先生は彼女の財産を管理してくれただけでなく、うちの診療所への通院にも毎回、同行してくれました。言いかえれば当院の月一回の受診が、彼女のミニ担当者会議になっていたようなものでした。 そんな元気な彼女も認知症の影響で食生活がうまくいかなくなり、上顎に腫瘍のようなものができて食べられずに人生を終えましたが、最

新しい試み(2)修復に向けた連帯

平成28年4月14日、16日の熊本地震から3年が過ぎました。それまでの地震の時とは異なり、妻の介護のために大阪を離れられなかったボクは、パソコンで熊本県庁やみつぐまち診療所の先生と連絡しながら、できる限りの情報を提供した懐かしい思い出があります。 あれから気が遠くなるほど繰り返された余震の恐怖に耐えながら、町の復興を遂げてきた熊本の皆さんは、私たちの誇りです。 そんな時、パリのノートルダム大聖堂が大火災になりました。ショックで言葉がありません。東日本大震災のときに私たちに祈りをささげてくれた聖堂の尖塔が焼け落ちました。 熊本城が大変な被害を受けたとき、私たちは「もう、決してあの美しい城を見ることはできない」と思いました。しかし、最近目にする映像からは、しっかりと修復が進んでいくことが見て取れます。あまりにショックで思うことができなくても、しっかりした意志があればノートルダムも何十年かかけて修復ができる可能性もあるはず。それはフランスの人々だけではなく、人類みんなが行うべき修復になるでしょう。 バルセロナのサクラダファミリアも「いったい、完成する日なんかあるんだろうか」と思っていたものが、世界中の人の力で完成する日を待つことができるようになりました。ノートルダムが戻るまでたとえ週十年かかったとしても、その年月は「時間をかけるに値する人類の時間」です。空爆でがれきとなったワルシャワが昔の写真のように戻されたのも人々の力、100年は草木も生えないといわれた広島と長崎が、こうしてしっかりと世界の中で「生きている」と主張し続けていることも、人間が持つ可能性と努力の賜物です。911だって福

新しい試み(1)2年半に感謝!天候には幻滅

2016年9月に診療所創立65周年記念のつもりでブログを書き始めて2年半、先日で30000アクセスになりました。うちの診療所のブログは診療所が「こんなこともやってます!」って紹介するHPとは異なり、自分の意見を述べているだけなのですが、こんな文章でも読んでくださる方がおられることに感謝!!です。 しかしこの2年半は苦しい期間でした。(また、妻の介護の大変さをぼやくと思っている人は、はずれ。)この夏で28年を迎える開業精神科医として、ちょうど2016年の11月ごろから感じていることがあります。それは天候の不安定さ。暖かい日もそうでない日も日替わりのようにやってきて体調が乱れます。 今年は京都に戻って迎える桜の季節ですが、木屋町三条あたりには数日前に写真機を持った外国人の観光客があふれていて、大阪にいた5年間に京都は様変わりしていました。それはともかく、みなさんは覚えていますか、昨年は(大阪では)たった2日ほどの間に急激な桜の開花があり、その後の雨であっという間に散ってしまいました。今日、タクシーの運転手さんに聞くと京都もやはり昨年はすぐに散ったようです。 それが今年は何日も続いて「よかったね~」なら良いのですが、長く桜を見られたのは暖かくなって開花した後にも、凍えるような日があって、結局、桜が散らずにボクも風邪をひきました。先月、予約していた診療がボクの風邪で迷惑をおかけした患者さん、ご家族、ごめんなさい。 介護者、介護職の皆さんはどうでしたか。年間を通してエアコンで管理されていてもその地域を通る寒波や夏の酷暑は影響するものです。つまり、この2年半は介護する家族にとっても、介護職