松本診療所のこれまで
と受診に
ついて
Description

 松本診療所は1951年(昭和26年)の4月に歯科医の父、内科・眼科医の母によって開設され、令和2年(2020年)に69周年を迎えました。これも地域の皆さま、遠方から来てくださる方のおかげです。心より感謝申し上げます。

 父の命日が1991年7月31日、私が診療所に急きょ戻り、(認知症を主とする)精神科を始めてから早いもので29 年目に突入しました。

 妻の母親を京都の自宅で27年間介護し、亡くなる1か月半前まで診療を続けた母の最期を見送り、今は母親の介護で燃え尽きた妻の介護者になって5年が過ぎました。考えれば介護を続けた人生です。その経験者として認知症の治療者よりもむしろ介護家族としてこれからも患者さん、ご家族と連携します。

 令和2年は新型コロナウイルスの感染で世界中が大混乱ですが、このような時にこそ認知症を地域で支えることの大切さを感じています。来年2021年(令和3年)は当院創立70周年を迎えます。より新しい時代の認知症医療を考えていますので、楽しみにしていてください。    

                       2020年9月11日 松本一生

​診療の特徴 受診について

〇ものわすれ伴走外来を目指しています

 ものわすれ外来は一般には認知症の診断をおこなう外来ですが、当院は時間に限りはありますが精神療法的な診察を中心にしています。ほとんどの患者さんは大きな医療機関で精密検査を受けた後、当院に紹介されて来院されます。

 一般的な「物忘れ外来」では初診で画像検査、認知症のテスト(知的面や言語面なども含めて)を一気に検査を進めて診断し告知してから通院が始まりますが、当院ではそのような形式をとっていません(緊急性がある場合には例外として他院と協力します)。「診断外来」としてではなく、診断後の家族相談や「ケア」のあり方を一緒に考える在宅での医療機関です。それゆえ早期診断を中心にした診療よりも、長い通院と日々の生活を通して診療し、必要に応じて外部の医療機関と協力しながら諸検査をすすめ、普段は本人や家族の生活を支える「ものわすれ伴走外来」とご理解ください。

 「認知症の診断を急いでほしい」という希望がある人の場合には認知症疾患医療センターや大病院の認知症診断外来をお勧めしています。診断後、長くお付き合いすることが、私の役割だと自分では思い続けています。

〇かかりつけ医を持ってください

​ 地域包括ケアの考え方が広がって来た今、ぜひ、かかりつけ医を持ってください。内科や外科、整形外科をはじめとするかかりつけ医の先生と協力し「認知症医療」に特化した診療をさせていただきます。

 当院へ初診で来院予約を取られる場合には、かかりつけ医の先生の承諾をいただいてください。私は恥ずかしながら専門医の知識はあっても、身体面の医療はわかっていません。初診までの時間がかかって申し訳なく思っていますが、一度関わらせていただくと平均して10年、その人や家族との関係が続くような診療をしています。人生を共に歩んでいくような医療体制だと思って、ご理解いただければ嬉しいです。

〇運転免許のこと

​ 近年、運転免許のことで当院受診を希望される人が増えましたが、私はこれまで一度も運転免許を取ったことがありません。運転が可能かどうかの診療は自信がありません(すみません)。診断力のある認知症疾患医療センターや別の大病院をご紹介するようにしています。ご了解いただければ幸いです。

〇入所後の受診について

 これまで30年にわたり外来受診された方が入所後も要望があれば診療を続けてきましたが、今後、在宅から入所される場合は、入所後1か月半を目途に施設担当医にバトンタッチさせていただきます(昔と違って地域で専門医も増えましたから、ね)。

 入所した後、家族の面会も少なく本人の状況がわからず、施設職員間の意見も食い違うケースが激増したため、入所後の状態がわからないのに診療を(外から)続けるべきではないと判断しました。当院はあくまでも在宅期の医療機関とご理解いただけますようお願いいたします。

                       2020年9月11日 松本一生