2017年4月から朝日新聞デジタル版・アピタルで

「認知症と生きるには」というコラムを執筆中です。

http://www.asahi.com/apital/column/ninchisyou/

​朝日新聞(デジタル版)お知らせ

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これからも(6)メリークリスマスうどん

京都の二条河原町のマンションに戻って1年、いつもカトリック河原町教会に寄って帰宅しますが、今日はクリスマスイブ、いつもより多くの人が夕闇迫る教会に来ていました。 教会のミサに毎週日曜日に行くことはなくなりましたが、いつもボクのこころの中には若い頃の教会との思い出が残っています。その最たるものがクリスマスイブの素うどん、メリークリスマ素うどん(ここまで読んでアホらしくなった人、ごめんね)なのです。 かつてボクが通っていた大阪の教会では24日の真夜中から25日のクリスマスをみんなで祝うために深夜ミサが行われていました。寒いクリスマスの夜、仕事終わりに深夜ミサに参加する多くの信者さんが少しでも体を温めてくれるように、ボクら教会の「若い衆」が朝からうどんやそばを準備するのがクリスマスの定例になっていました。朝から買い出しをして500玉ほどのだしを取り、その夜に備えながら毎年のクリスマスを迎えます。ミサが終わりうどん屋の後片づけが終わる午前2時のクリスマスが、その後の自分を作ったように今でも感じます。 あれから40年以上が経過しましたが、いつもボクの人生はこの時の経験のくり返しです。自分のために何か欲を出せば何一つうまくいくことはありませんでした。自分のことよりも「誰かのために」と(本心から)思ってやる場合にだけ、ほんの、ほんの少しだけボクには力が出ます。それをいい気になって「次には自分の利益のために」と考えて動いたとたん、どん底まで落ちていくことのくり返しです。 医者になるときも大学教員になるときも、自分のためにトライしたらすべて惨敗で、一度諦めて、もう自暴自棄のつもりになって(自分を

これからも(5)来年の研修予約で大慌て

「これからも」がんばるぞ!っとこころがけて、これまで続けてきた精神科の指導医を継続するため来年の研修手続きをしています。ご存知の方も多いかと思いますが、どのような科目の医者でも専門医の資格を持っている人は、一定の期間を経ると更新していかなければいけません。精神科医の場合には、それに加えて5年ごとに精神保健指定医という国の「役割」も持っているため、更新のために学会に参加したり、シンポジウムや講演会に行ったりしています。 5年半前から妻の介護者をしているため、どこに行っても「日帰り」しなければならない立場であることは、これまでここに書いてきましたが、来年はどうもそれが日帰りではすまなくなりそうです。研修会の会場が福岡(東京は満員でした)、朝9時から午後9時45分(!)までの第1日と、朝9時から夕方4時半までの第2日に加え、その前日から博多に行かなければなりません。 あ、こんな文句っぽい文章を書いていても、それは何も学会や研修会に愚痴を言っているわけではないのです。自分で決めて資格を更新しようと思っているからこそ、こうして悩んでいるわけで、指導医をやめて返納しようと思えば簡単にできるのに、あえて更新しようとしているからなのですが。 博多に行く前日は休診にして、朝から妻の買い出しと夕食を作り、次の日の昼食までは準備して、その次からの食事は娘と息子に協力してもらって何とかやり過ごそうと思って予約を入れ、 それを直前まで妻には知られないようにしつつ(知った途端に不安感で大騒ぎになりますから)、研修会に行ってきます。 でも、この話、これからの社会では常に考えておかなければならないことですよね

これからも(5)来年の研修予約で大慌て

「これからも」がんばるぞ!っとこころがけて、これまで続けてきた精神科の指導医を継続するため来年の研修手続きをしています。ご存知の方も多いかと思いますが、どのような科目の医者でも専門医の資格を持っている人は、一定の期間を経ると更新していかなければいけません。精神科医の場合には、それに加えて5年ごとに精神保健指定医という国の「役割」も持っているため、更新のために学会に参加したり、シンポジウムや講演会に行ったりしています。 5年半前から妻の介護者をしているため、どこに行っても「日帰り」しなければならない立場であることは、これまでここに書いてきましたが、来年はどうもそれが日帰りではすまなくなりそうです。研修会の会場が福岡(東京は満員でした)、朝9時から午後9時45分(!)までの第1日と、朝9時から夕方4時半までの第2日に加え、その前日から博多に行かなければなりません。 あ、こんな文句っぽい文章を書いていても、それは何も学会や研修会に愚痴を言っているわけではないのです。自分で決めて資格を更新しようと思っているからこそ、こうして悩んでいるわけで、指導医をやめて返納しようと思えば簡単にできるのに、あえて更新しようとしているからなのですが。 博多に行く前日は休診にして、朝から妻の買い出しと夕食を作り、次の日の昼食までは準備して、その次からの食事は娘と息子に協力してもらって何とかやり過ごそうと思って予約を入れ、 それを直前まで妻には知られないようにしつつ(知った途端に不安感で大騒ぎになりますから)、研修会に行ってきます。 でも、この話、これからの社会では常に考えておかなければならないことですよね

これからも(4)会えない時にも

ことしも12月、あっという間に過ぎた災害の年、気候の変動で多くの患者さんを見送り、多くの家族が介護に疲弊した年でした。あと1か月、年が変わると29年を迎えようとする開業医の生活のなかで、診療所に来てくれる人がさまざまな事情で来院できなくなることもたくさんありました。 昨日も他院からの紹介で来てくれていた患者さんと同行するご家族が引っ越しをすることになり、それも関西から関東という遠距離の引っ越しをするため、自動車が使えない近くの家族が歩いて通院できる医療機関への転院をすることになりました。 これまで担当してきた8150人の認知症当事者のカルテの多くが残っています。すでに見送った人の分も、20年以上の長きにわたって来院してくれた人の分も、できるだけ残すようにしています。さすがに検査用紙や画像など、すべてを残すことはできませんが、できる限り、たとえ時間がたっても再開した人との思い出や診療記録が出てくるように保存しています。 先日もお便りをいただいたのですが、かつて当院に来院しておられたお母さんが、今は別の施設に入居して、そこで穏やかな生活を送っていると娘さんから手紙をいただきました。もし、また必要な時があれば、これまでにかかわらせていただいた医者として、何らかのかかわりや情報提供を惜しまずに協力したいと思います。 中には新任の行政担当者から、「あなたがかかっていると言っている松本診療所って、医療としては何もしていないから、医者を替えたらいいんじゃないですか」と言われる患者さんがいます。でも、医者としてかかわっているということの中に「たとえ、今ここでは積極的に『治療』していなくても、何