ものわすれブログ

これからも(2)45年目の学舎

10/28/2019

 今回の台風被害にあわれた多くのみなさまに、こころからの共感を示したいと思います。

うちの診療所も2012年夏の大雨で屋上が浸水し、「水の被害」がいかに大きいかを経験しましたが、今回の水害の被害は、うちの診療所とは桁外れに負担が大きい泥水被害ですからご心痛も甚大だと思います。一日も早くこころが、日々の生活が安堵できることをお祈り申し上げます。

 

 いつも書いていることですが、ボクの仕事は臨床医+大学教員+執筆ですが、今回のテーマは大学教員としての講義についてです。

 ここ数年は大阪市立大学大学院、大阪府立大学大学院で院生の講義を担当してきましたが、今年は母校である大阪歯科大学の4年制大学(医療保健学部)の学部生への講義を引き受けました。ボクの大事な研究項目の一つに「嚥下」、「口腔ケア」があり、いかに認知症の人にとって口腔領域が大切かを説く講義を、歯科衛生士、歯科技工士を目指す学生さんたちに伝えるべく「歯科心身医学」の担当を(今年1年だけですが)お引き受けしました。

 その医療保健学部は、かつて父も妻も学んだ大阪歯科大学の牧野学舎にあります。歯学部は樟葉(くずは)という駅に移りましたので、牧野学舎は通っていたころから42年ぶりに足を踏み入れました。

 

 学舎の旧館は確か昭和の初めに建てられたもので、正門をくぐって街路樹、石畳を抜けていくと堂々とした建物が迎えてくれます。「懐かしいなあ」という気持ちと共に、もし、当時、歯科心身医学の講義があり、口腔領域でもメンタル系の勉強ができる環境があったなら、ボクはその後、医学部に行きなおして精神医学を学ぶことはなかった、と思います。自分の今はそのような時代の制約と背景の結果としてあるのだと、改めて考えさせられました。

 

 少しナルシスティックな話になりますが、学舎や運動場、体育館を見ると、途端に当時の記憶がよみがえってきました。とくに運動場は体調を崩して休学し、復学した次の学年に体育の授業が受けられず、他学生が運動しているのをずっと運動場横の石段に腰かけて見学していました。

 昨日も午後から講義をしに行きましたので、終了後、石段に腰をかけてみました。すると当時の思い、くやしさや楽しさなどがまるで「今、経験しているかのように」思い起こされました。

 

 45年たっても変わらない風景がある一方で、45年前には全く学ぶことがなかった口腔領域のメンタル部門を自分が担当することになって、時代の移り変わりを感じます。講義は先にも書いたように今年が最初で最後です。今後も5週間にわたって講義が続きますが、ボクのたった1度の講義、学生さんの人生を通して記憶に残るような講義にしたいな~。

 

 

 

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