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ものわすれブログ

ボクのこだわり(3)認知症ケア専門士試験


 昨日は3連休の中日、祇園祭の鉾の巡航が17日なので京都は人が多いなか、認知症ケア専門士試験が行われました。札幌や東京をはじめ京都も関西の試験会場となりましたので、ボクは会場の担当委員として一日を過ごしました。今年15回を迎える認知症ケア専門士試験ですが、関西地域の試験は伝統的に神戸(ポートピアアイランドの国際展示場)か京都(みやこめっせ)で行われます。うちから歩いて15分、ボクにとっては京都の試験場は歩いて行ける所なので、もう何年も会場の担当委員をさせてもらっています。

 前にも書いたことがありますが、この学会が他の医学会や専門職が集まった学会とは異なり、多くの職種が集まっていることにボクは大きな意味を感じています。「地域包括ケア」を実践しようと思えば、この認知症ケア学会のように多くの職種が、お互いの違いや考え方のルールの差異を乗り越えて、自分の意見を言いながら、立場の異なる別の意見を受け入れなければなりません。当事者や家族の意見、そしてその人々と同じ立場の目線で話ができるか、それとも専門職が自分たちの殻に限定した範囲の考え方にとどまるか、試されているような場でもあります。

 今年も1500人ほどの人が京都に集い、認知症ケア専門士、准専門士を目指して受験してくれました。例年のことですが、まる1日をかけて試験が行われるため、会場で体調がすぐれない人や、緊張感から調子を崩す人などが出ましたが、昨年のような天候の影響はなく(昨年は悪天候のために会場まで来られない人がたくさん出てしまい、大変申し訳なく思いました)、何とか終えることができました。

 ここに会場担当員として参加するたびに、ボクは気持ちを新たにします。こんなにたくさんの人が認知症を、より理解するために専門士の資格を取ろうとしてくれることに、とても勇気づけられます。本音を言うと受験してくれた人が一人でも多く資格を取ってくれれば嬉しいのですが、かといって簡単すぎてもいけません。しっかりと知識をつけて経験をつけた人に現場で活躍してほしいと願っています。

 祇園祭前の連休の夕方に帰る時間を迎え、会場のあたりはタクシーがつかまりません。試験監督を終えて妻の夕食の買い出しをするために、地下鉄で京都の中心に向かおうとしていると、前を歩く数人の女性が話をしています。自然と耳に入った内容から、どうも今しがた受験を終えた介護職のようです。

「今日の会場はあんなに人がいるとは思わんかったな、それにしても受験料×あの大勢、学会はどれだけ儲けたら気がすむんやろな~」って、あのね、大きな学会なので去年のようなアクシデントが起きると真っ青なんです。いつも苦労しながらがんばってるんですョ‥‥事務局は。


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