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緊急メッセージ 北海道の地震 認知症ケアに

  • 執筆者の写真: 松本一生
    松本一生
  • 2018年9月6日
  • 読了時間: 2分

 大阪が台風に襲われ、診療所は周囲に大きな建物がない所に建っている5階建てなので、台風で看板の土台に張り付けたプラスチックの字の部分が飛ばされてしまいました。風で建物が揺れたのも初めてでした。幸いにもこちらの患者さんには大きな影響がなく、むしろ台風による低気圧が近づくときが最も悪かったかと思います。

 それから2日後の今朝(6日未明)、北海道で大きな地震が起きました。ここでも書いてきたようにボクには何人かの患者さんが北海道におられて、ときどき往診に行っています。いずれは地域の先生にバトンタッチすることにしていますが、今はボクが担当する人々です。

 日本認知症ケア学会では災害の時に役立つパンフレットを作成しています。それを見ながら認知症の人や災害にあった人のために対応してください。学会のホームページを開けると右上に「避難所での支援ガイド」として載っています。認知症とともにある人、介護家族のみならず、行政や支援職のみなさんにも手引きになるものです。ぜひ、ご活用ください。(PDFでダウンロードできます)

 北海道の患者さんは無事のようです。でも、大きな揺れやショックの後には認知症の当事者の体調が変わりやすいことを、これまで阪神淡路大震災、能登、中越、東日本、熊本の支援を通してボクは知っています。北海道もライフラインが止まっていると聞いています。幸いにも先日の大阪のようにエアコンが止まれば30度を超える室内にはならないようで、グルーホーム長からの連絡では24~25度とのこと、それでも水がなくてガスが漏れて使えない状況では普段の体調を維持することが大切です。

 そして介護家族、介護職の健康面・心理面こそ最も大切です。

 私たちが倒れてしまうと本人、地域も破綻してしまうことは明らかです。このような未曽有の事態に出会うと、「他者のために何かしなくては」と、自分をそっちのけで頑張り過ぎてしまうものです。

 そんな時にこそ、自分に無理をせず、長く安定して家族のために、地域の介護を必要としている人のために息の長い支援者出合ってください。自分が70%、たとえ仕事でも他者のための行為は30%にとどめること。

 連絡した北海道の施設長さん、あなたがこの緊急事態で気を張って「みんなを支えなければ…」と思っている気持ちが伝わってきました。だからこそ、ボクに連絡してくるときには弱いあなたで良いんです。泣きながら泣きながら、それでも利用者を支えようとするあなた達がいてくれるからこそ、明日に向かう希望が持てるのですから。


 
 
 

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