ものわすれブログ

ゆれる気持ち(4)初診の待ち時間

10/05/2017

 開業以来悩んでいることがあります。それは初診の受診をしていただくまでの「待ち時間」のことです。平成4年に始めてからこれまでの25年間、ある時期を除いてずっと3か月程度、受診までに待ってもらわなければなりません。ボクも精神科医ですからメンタル面の混乱が起きたときには誰だって「今、ここで診てョ」って思うのは当たり前とわかっています。

 ボクが妻の混乱で困り切った時にも八尾こころのホスピタルの先輩はすぐに診察してくれて大変助かりました。そんな恩恵を受けているのに、来院する人の診察だけ時間がかかっても良いのか…、これはボクの長年の悩みでもあります。

 

 月に初診として紹介されてくる患者さんが30人、これまでの25年でいつとなく増え続けた患者さんの登録が1000人、毎月800人以上の人々の診療をしながら月に30人ずつ患者さんが増え、亡くなる場合や通院中断(あんな医者、あかんわ!って)を合わせて10人、足し引き20人ずつ増えてこられる患者さんがおられます。

 さて、どうしたものかと代診の先生に来てもらったこともあります。母校の医局から歩いて15分のところにあるうちの診療所には、これまで何人かの代診の先生が来られました。でも、難しいものですね、ボクのところにはボクがお会いしなければいけない患者さんが、そして代診の先生には、やはりその先生でなければならない患者さんが来られ、結局、ボクの診療はこれまでと変わりませんでした。

 頑張って「相談の電話が入ってから遅くとも2週間で診ます」と宣言しこともありました。もう5年ほど前まで、毎年この宣言をしてきたように思います。が、しかし、そうなると日によっては新患者さんが2人、3人と来られます。新患さんの場合には1時間弱時間がかかることもあって、3か月ほどでボクが(過労になり)倒れてしまいます。前にも書きましたが、ボクは「ひ弱さ」では人には負けません(またこんなこと書いてすみません)。

 

 初診の場合に診断や薬の決定だけで終わるのなら、これほど苦労はしません。ところがうちの場合には、告知した後のご本人のフォローや介護家族となったみなさんのケア・相談がありますので、社会福祉士の升山(ますやま)弘子さんの仕事も集中することになります。地域のかかりつけ医の先生への連絡、ケアマネジャーとの連携、福祉手続きの書類・・・、一般的な認知症診断外来と比べると、ひとり新患者さんが来院されると、その後2か月ほど受診体制ができるまで時間をかけるのが当院の特徴です。

 うちのようなかかわりをするところもあれば、「今、ここで」診てあげなければならない人が駆け込んで診察を受けられる認知症外来もあり、多様化するニーズの患者さんや家族の要望に合わせて、地域内でいくつもの選択肢を選べるようになるのが、これからの認知症診療には求められます。

 

 ボクは四半世紀もこのような外来の形態を続けてきました。先日、どうしても対応しなければならなかった人に緊急対応をしたところ、慣れない緊急対応でうまくことが進まず、結果的に普段なら通院と処方で対応できたはずの患者さんが緊急入院になってしまいました。とても残念です。外来で服薬調整をしてあげられなかった分、入院して良くなってください。

 

 自分が得意とする分野、自分では力が足りない分野をしっかりと把握することが、自分の役割を果たすには大切ですね。25年も臨床をしていて「自分を知ること」の難しさに気づかされました。

Share on Facebook
Share on Twitter
Please reload

院長ブログ
Blogs
​最近の記事
Please reload

アーカイブ
Please reload

タグ
Please reload