• 松本一生

新しい試み(7)認知症ケア専門士受験講座


 今日は先週の週末に引き続いて国立京都国際会館にいました。日本認知症ケア学会が主催する認知症ケア専門士受験のための講座の講師としてです。ボクにはこれまでにも「激アツ」になる日が認知症ケア専門士関連では年に3回あります。その一つがこの受験講座。後の2日は7月の専門士試験(1次試験)と11~12月頃かな、その2次試験の日です。

 先週の週末は認知症ケア学会の本大会でしたから、全国から6000人ほどの人が国際会館に集まりました。ボクもシンポジウムと(前にも書いたように)、一般演題の発表をしたのですが、今日は第1回から続く受験講座の講師としての役割です。今回は15回目の受験講座。

 これも前に書きましたが、第1回試験の時に神戸国際展示場やポートピアホテルを使って行った関西会場で、試験を終えて会場から出てくるたくさんの人を見送っていた際、あるオジサンが、子供さんに携帯電話していた時の発言がボクをこれまで支えてくれました。そのオトーサンは「今、試験がすべて終わった。疲れた。お父さんなぁ、頑張ったけど今回はダメだった。でも、これからも介護の仕事をしながら、認知症ケア専門士の資格に挑み続けようと思う。頑張るからね」と、その人は言っていました。電話の向こうには父親の受験を心配しながら、その報告を待っている妻や子どもがいたのでしょう。

 決して若くはない彼が、もしかすると会社をリストラされたのかもしれません。生活のために、生きるために認知症ケア専門士を受験してくれたこと、そして合格して喜びの中で家族に連絡したのではなく、受験がダメだったかもしれない、まさにその時に子どもに再度の挑戦を誓っていたその姿に、ボクは完全に引き込まれてしまいました。彼のあの言葉がまるで彼の「祈り」であるように聞こえ、人を支援する決意を感じたからでした。

 それ以来、人のために「ケア」を生涯の仕事にしようとした人に、一人でも多く認知症ケア専門士になってもらいたくて、毎年、講座の講師を引き受けています。日々のケアの仕事をしながら、それでも認知症ケア専門士になろうとする介護職は、その決意をした時点で専門士になる要件のいくつかを満たしているとも思っています(個人的見解ですが)からね。

 今日の講義の際にも多くの人がキャリーケースを会場の隅に置いて受講してくれていました。講座が終わって飛行機、電車で帰ったとたんに、その日の夜勤、当直が待っているかもしれません。それでも参加してくれた今日の400人、すべての人が認知症ケア専門士になれますように。

 たった1時間半の講義と模擬試験の解答で、使った時間は半日でしたが、本大会以上にボクは全身全霊を込めて受講者の皆さんに熱意を込めました。ヘロヘロになったけれど・・・。

でもね、ボクはまた受講者の皆さんから、それ以上の力をもらいましたョ。これまで何度も引き受けてきた講師ですが、要望がある限り、これからも続けていこうという、「古くて新しい試み」と決意ができました。


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